試験問題の概要

(1)試験問題の概要について

試験問題の概要は、前項で説明しましたが、ここではもう少し詳しく説明したいと思います。平成19年度秋試験を例にとります。

○午前問題

全55問 全問解答 試験時間100分
(内訳)
・コンピュータアーキテクチャ(理論系)  3問
・コンピュータアーキテクチャ(実装系)  3門
・ネットワーク知識               4問
・システム設計・開発・運用        10問
・プロジェクトマネジメント          5問
・経営知識/経営戦略           6問
・法務                      4問
・その他(用語知識など)         20問


(うち計算問題13問 知識問題 42問)

AN PM.AE共通問題とはいえ、採点には各試験に応じた重み付けがされます。システムアナリストの場合は、特にシステム設計、プロジェクトマネジメント、経営知識に重点的な重み付けがされているようです。

○午後I問題

4問から3問を選択して解答 試験時間90分

問1 工場における製造管理業務のシステム化立案
問2 卸売市場における場内情報システムの構築
問3 ガス会社のコールセンターにおける効率化を目的としたナレッジマネジメントシステムの構築
問4 総合家電メーカーの業務改革の推進とシステム化構想

午後I問題は、主としてビジネススピードの向上、生産現場と販売現場の連携による適正在庫の確保、顧客満足の実現という、テーマとしてはどれも現実の商談の場において主要なテーマとなりそうなケースが出題されます。

○午後II問題

3問から1問選択して論述 試験時間120分

問1 システム化全体計画におけるシステムアーキテクチャについて
様々なアーキテクチャによってバラバラに構築されて来たシステムの整合性を取るためにプラットドームの統一、WEB化、SOA導入などによるシステム全体  最適化計画について論述

問2 リスクに対応する統制方針に基づいた情報システム構想の策定について
商品流通過程における不祥事防止のためのトレーサビリティの確保等、リスク対応のための情報システム化構想について論述

問3 経営意思決定を支援する情報システムの構想の策定について
意思決定支援システムの現代的展開としての新たなシステム開発について論述


午後II問題は、主として現在トレンドになっている情報化計画について出題される傾向があります。その意味で問3は少々テーマが古いように思えますが、かつてのDSS(意思決定支援システム)の反省をふまえての新たな展開について問うているといえます。

各試験ごとの制覇法を次項に書きますが、まずは簡単に試験全体を通して見た場合の攻略法を書いてみます。

○午前問題攻略法

これは足切り問題ですから、満点を取る必要はなく、総合点で600点を超えればよいのです。だから苦手分野についてはある程度捨て去る勇気が必要です。午後の試験は大変な精神力を要しますから、午前問題で精神力を消耗していては、話になりません。

午前問題は、過去問題の徹底研究で相当程度クリアできます。はっきり言えば、設問がなんのことやらさっぱりわからなくても、正解が導ければよいのです。落ち着いて問題文を読めば、4択のうち2つは明らかに間違いであることが分かります。残り2つのうちどっちが正解かを判断するのは、過去問の研究をどれだけこなしたかによります。

ネックになるのが計算問題です。落ち着いて計算すれば解ける問題も多い一方で、数式を暗記してなければ解けない問題もあります。計算問題は時間がかかることもあって、できない問題は捨て去ることも必要です。

○午後I問題攻略法

午後I問題は、極めて長い大設問を読んで、答えを記述しなければならない、時間との勝負です。普段から速読の練習をつけておくととともに、出題者の意図を見抜く力が必要になります。出題者は大設問の中にすでに正解となるキーワードを埋めている場合が多く、それをいかに鋭く見抜くかが勝負です。自分の経験に照らした推論的解答をしてもおおむね不正解となります。

午後I問題も足切り試験ですから、パーフェクトを求める必要はありません。総合点600点以上とれば足切りはクリアですし、午前問題と違って正解か間違いかという採点ではなく、どの程度正解に近づいたかで採点されますから、ひとつやふたつ解けなかった小設問があったとしても落胆しないことです。

○午後II問題 攻略法

論述試験は、「あなたの経験と考えに照らして記述せよ」とされていますが、実際の自分の経験に正直に従う必要はありません。むしろ「自分がアナリストだったらどう対処するか」という能力が問われているのです。最後の難関ですから、これだけは自分の力を120%アピールすることが必要です。論文執筆も経験が必要です。

しかも、午前問題と午後I問題は、過去問題集に正解が載っているので、自己チェックできますが、論文は自己チェックができません。このため模擬試験は必ず受験するようにしてください。自分の能力と、強み、弱みを指摘してもらえます。


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