午後II問題攻略法

(4)午後II問題制覇法

システムアナリスト試験に合格するか否かは、この午後II問題の論述試験でAクラスをとれるかどうかで決まります。これまでの午前問題、午後I問題の足切りを通過してきた受験者の論文だけが審査にかけられます。

毎年この論文問題として出題されるテーマは、ここ数年来のトレンドになっている、技術、業務改革、アーキテクチャなどが取り上げられます。試験問題では「あなたの経験と考えに基づいて論述せよ」と指示されますが、経験も何も、そんな最新のトレンドを経験している受験生など、ほとんどいないでしょう。では、どうやって論文を書くのかというと、「日経コンピュータ誌」や「日経情報ストラテジー誌」で紹介されている最新トレンドの採用事例をきっちり読んだ上で、「創作論文」を事前にいくつか準備するのです。その上で実際に出題された論文問題に照らして、ストーリーを一部変えて書くのです。

論文の審査に当たっては、形式論、実態論併せて評価されます。

まず形式論を言えば、「論述と箇条書きの使い分けが適切で読みやすく論旨鮮明であること」が大事です。試験問題の注意書きにも「箇条書きを使うことはかまいませんが、箇条書きに終始しないでください」と親切に注意書きが添えられていますが、箇条書きに終始するのもダメで、かつダラダラと長文を書くのもダメです。以下に実例を示します。

○良い例
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私が、システム統合に当たって、重要と考え工夫した点は次の通りである。
(1)業務プロセスをどちらかのシステムに完全に合わせること
(2) 統合後のハードウェア・ソフトウェアの処理能力を十分検討すること
(3) 新システムの研修にはe-ラーニングを取り入れたOJTを実施すること。
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○悪い例その1
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1 重要点
(1)業務プロセスの統合
(2)処理能力の見積もり
(3)eーラーニング
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箇条書きに終始しています。何を主張したいのかわかない例です。

○悪い例その2
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私が重要と考え工夫した点は、まず業務プロセスをどちらかのシステムに完全に合わせてしまうことや、統合後のハードウェア・ソフトウェアの処理能力を十分見積もった上で検討すること、それから研修にはe-ラーニングを取り入れてOJT主体で教育することである
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主張は伝わりますが、一つの文章が長すぎて理解するのに時間がかかります。

続いて実態論について言えば、「題意に沿って記述しているか」という点が非常に大事です。午後I試験の項でも説明しましたが、「聞かれたことのみ確実に答え、聞かれていないことは一切答えない」ということです。受験者は論文を夢中になって書いているうちに、いつしか問題の題意を忘れ、自分の経験談をいかに美談に仕立て上げるかに熱中してしまいがちです。

論文を書きながら、常に「これは題意に沿っているか」を意識するようにしましょう。
そのほか、どんな論文を書く場合でも同じですが、説得力のある筆致が必要です。

いくら立派なことを書いても、その筆致が真実味を帯びていなければ、採点者に伝わりません。ひとえに文章能力にかかっているわけですが、昨今は模範論文を掲載した書籍も出ていますので、参考にしながら練習論文を書いているうちに慣れてくるでしょう。


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