他の情報処理技術者との違い

(3)他の高度情報処理技術者との違いについて

【(1)システムアナリストの職責とステイタスについて】において、簡単に説明しましたが、ここではもう少し踏み込んで詳しく説明したいと思います。

現在の試験も今後の改訂後の試験においても同じですが、ゼネラリストとスペシャリストを明確に区別しています。もっと簡単に言えば、文系と理系の違いに似ています。ゼネラリストとは、特定の分野ではなく複数の分野においてある一定以上の知識や技術を持ち、仕事をしていく人のことを指します。つまり専門性の高い分野の高等技術はスペシャリストに任せて、ゼネラリストはグローバルな視点で仕事をしていきます。

他方で、職務や立場がユーザー側か、ベンダー側かによっても分けられます。これにより高度情報処理技術者を4種類のパターンに分類することが出来ます。

○システムアナリスト           ゼネラリスト/ベンダー側
○システム監査技術者         ゼネラリスト/ユーザー側(ただし独立系)
○プロジェクトマネージャ          ゼネラリスト/ベンダー側
○アプリケーションエンジニア       ゼネラリストとスペシャリストの中間/ベンダー側
○テクニカルエンジニア(システム管理) スペシャリスト/ベンダー側またはユーザー側
○テクニカルエンジニア(ネットワーク)  スペシャリスト/ベンダー側またはユーザー側
○テクニカルエンジニア(データベース)  スペシャリスト/ベンダー側
○テクニカルエンジニア(エンベデッド)   スペシャリスト/ベンダー側
○テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)スペシャリスト/ベンダー側またはユーザー側

(注)これらの分類は「どちらかというと○○」という意味でのの分類ですので、ユーザー側の要員にベンダー系資格保有者がいてもいっこうにかまいません。

ゼネラリスト系資格の最高位に位置づけられるのが、システムアナリストとシステム監査技術者です。前者は情報システムが経営に貢献できるように情報戦略を策定する、後者は情報システムが経営に貢献しているかどうかを監査する立場です。したがってこの二者は名目上「天敵」になります。

プロジェクトマネージャとアプリケーションエンジニアは、システムアナリストの策定した情報戦略に基づき、個別システムの計画、設計、製造、テスト、運用までを担当します。

ところで、ゼネラリストの一般的なイメージとして「何でも出来るが何一つ満足に出来ない」あるいは「物事を勝手に決めて、仕事はスペシャリスト任せ」といったネガティブなイメージが持たれているようです。そして実際にそういう自称ゼネラリストもいます。さらに商談を取れる取れないの話になってくると、ゼネラリストと営業はスペシャリストの天敵という構図になりかねません。

確かにシステムアナリストは、あくまでも作戦参謀としてのゼネラリストなのですから、単独でシステムを構築することはできません。「ゼネラリスト無能論」を打破して、真にシステム開発プロジェクトを成功に導くには、下の職位の技術者とのコミュニケーションをうまく取るという意外に道はありません。情報戦略にせよ、個別システムの開発にせよ、究極の目的は顧客満足にあるわけですから、その視点を忘れないことが大切だといえましょう。


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