広範な知識の体得について


(2)広範な知識の体得について

システムアナリスト試験に合格するためには、特定技術の深い知識ではなくゼネラリストとしての広範な知識が求められます。受験者はあらゆる機会を通して知識の体得に努めなければなりません。

参考書やWEBを通してシステムアーキテクチャ、システム開発手法など、IT業界人としての広い知識を体得
特定の技術について深く理解している必要はありません。

午前問題を制覇するために必要な知識ですから、「○○について知っている」という程度で良いのです。午前問題は4択ですが、ある用語に関して問われた際に、その用語に関連する別の用語との違いを把握していることです。

たとえば、システムの安定稼働に関する設計思想「フェールセーフ」「フェールソフト」「フォールトアボイダンス」という3つの用語がありますが、これらの用語の違いを頭に入れておけば良いということです。現実にそれらの実装をどうするかを考えるのはスペシャリストの任務ですので、システムアナリストは考えなくても良いのです。

これらの用語をきちんと把握しておけば4択のうち2つは明らかに間違いであることがわかりますから、格段に正答率が高くなります。

○様々な業界の抱える問題点について、日々の営業活動や報道を通して体得

システムアナリスト受験に当たっては様々な業界の抱える問題点について熟知している必要があります。これは午後1問題を制覇するために必要な知識です。

たとえば製造業ならばサプライチェーンによる「在庫最適化」、販売業であればカスタマーリレーションシップによる顧客満足。そして一般企業全般に共通の事項として、バックオフィス業務のアウトソーシングなどです。

午後1問題はこれらのシステム化が「遅れている」「うまく機能していない」という事例が大設問として提示されますので、「読む前から予想が付く」というくらいの経験度が必要です。IT業界人なら日々の営業を通して、また業界紙やIT関係ニュースサイトをこまめにチェックして、これらのスキルを磨いておく必要があります。

○IT業界の最新トレンドの把握

IT業界で仕事をしていると、システム開発案件を受注したら、極力枯れた技術を使いたがる傾向があります。システム開発プロジェクトに潜むリスクを見積もったときに、どうしても安定した技術を採用するのは、ある意味当然といえます。しかし、午後II問題の論文試験においては、枯れた技術は一顧だにされません。

どちらかといえば、最新トレンドな技術を採用した情報戦略立案能力が求められることが多いのです。一例を挙げると、数年前からSOAというシステム開発アプローチが注目されていますが、既に2007年度の午後II試験に登場しています。

また同じくここ数年の食品業界不祥事である、産地偽装、賞味期限改ざんなどについても、「食材のトレーサビリティ」という形で2007年度の試験に登場しています。午後II制覇のためには、常に業界の最新トレンドと導入事例について、業界紙などを通して把握しておく必要があります。


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