試験へのアドバイス

(1)最高3年の計画で考えよう

SEに限らず社会人が資格試験を受ける場合、日常の仕事に忙殺されて、まとまった受験勉強時間がとれないことがほとんどです。ITベンダー社員の場合は、社命で受験を命じられる場合があって、この場合には十分な研修機会が与えられるでしょうから、合格率も上がるでしょうが、ほとんどの受験者は独学で受験せざるを得ないことと思います。

このため、高度情報処理技術者試験の合格には3年計画で望むのがよいと筆者は考えています。初年度は午前問題と午後I問題の制覇に全力を傾け、2年目で初めて論文に力を注ぎ、3年目で合格というのが、勉強スケジュール的にも無理のない計画だと思います。それと同時にIT業界は3年もたつとトレンドが変わってしまい、新たな追加勉強が必要になってくることが多いのです。そうした意味も含めて3年をひとつの目安にしていただきたいと思います。

(2)業界紙/業界ニュースは毎日チェックしよう

新しいIT用語、新しい技術やフレームワークなどは、かなり早期に試験に出題されます。先に必読書として挙げた「日経コンピュータ」「日経情報ストラテジー」はもとより、WEB上で配信されているITニュースは必ず目を通しておきましょう。

(3)他の情報処理技術者との意見交換を活用しよう

システムアナリスト受験者ともなると、システム開発の現場に出ることは少なく、外回りの営業や内勤の管理職をやっている場合が多いです。いわゆる「現場の声」を聴く機会も減りますが、特にプロジェクトに潜むリスクの判別(これはプロジェクトマネージャの仕事です)には、現場の声を無視できませんので、特にプロジェクトマネージャとの意見交換を積極的に行うべきでしょう。

また、システムアナリストと並ぶ坑道情報処理技術者の最高峰「システム監査技術者」が身近にいる場合には、ぜひ交流を深めておいてください。実際に監査経験のあるシステム監査技術者は、情報戦略の客観的評価のみならず、セキュリティ監査によって発見した脆弱性、プロジェクトに潜むリスク、コンプライアンス違反の事例など、有益な情報を持っています。これらの技術者たちからの情報は、非常に役に立ちます。

(4)通信教育と模擬試験は必ず受けよう

これが最も重要な事項です。ITベンダーで社内に研修設備が整っている会社にいるような場合を除いて、多くの受験者は多忙の合間をぬって独学で試験にチャレンジしなければなりません。たった一人で勉学を続けるには強力なモチベーションが必要になります。そのために全受験生に強く推奨したいのが、通信教育と模擬試験です。有名どころではITECやTACなどが挙げられますが、教材、練習問題、模擬試験、フォローアップまで一式揃った通信教育を必ず受けてください。中でも重要なのは模擬試験です。これは本番さながらの状態で試験が受けられるだけではなく、午前問題、午後I II問題全て採点して講評とともに返してくれる点が強みなのです。本試験でも採点結果は公表していますが、足きりで落とされた人は、その後の採点はしてくれませんし、採点してくれても、どこがどう悪かったのかアドバイスしてくれるわけではありません。自分の実力を客観的に評価してもらえるのは、模擬試験しかありません。必ず受けるように強く推奨します。


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