プロトタイプ論文の事前作成

(5)プロトタイプ論文の事前作成について

前項で説明したとおり、午後II問題の制覇には、事前のプロトタイプ論文の準備が必要です。ここではプロトタイプ論文の書き方のツボについて、幾つか挙げておきましょう

○論述と箇条書きをうまく使い分け、説得力のある文章を心がけること

前項で説明したとおり、箇条書きに終始するのも、ダラダラ長い論述を書くのもマイナス要因です。構成力のある文章は説得力も増します。

○業界紙に載っている先進事例に自らの経験を重ね合わせること

経験したこともない先進事例に自らの経験を重ね合わせることは難しいように思いますが、ここでは「自らの経験に照らして自分だったら、この事例に対しどう対処するか」というスタンスで論文を書くと言うことです。

○プロジェクトマネージャの論文は御法度

システムアナリスト受験者の多くは、先にプロジェクトマネージャ試験に合格していたり、あるいは実際に会社でプロジェクトマネジメントを経験してきている人です。そのため、難航していたプロジェクトをいかに成功に導いたかという武勇伝を書いてしまう人がいます。しかし問われているのは、システムアナリストの能力であってプロジェクトマネジメントではありません。プロジェクトについて論述するときには、システムアナリストとしていかにプロジェクトを支援したかというスタンスで書くべきです。

○反省点や今後の課題を書く余地を残しておく

午後II論文の最後は、「(自分の仕事について)あなたはどのような評価しているか。今後の反省点や課題とともに簡潔に述べよ」という出題がなされます。したがってあまりにも完璧な大成功談を書いてしまうと、論文の最後に書くことがなくなってしまいます。したがって論述の中に、理想と現実のギャップや反省点などを書く余地、言い換えればわずかのスキを残しておくことです。

○基本パターンを決めておいて、本番時に臨機応変に変更できるような論文設計とすること

試験本番時に用意しておいた論文にぴったりハマる出題がされれば何も問題はなくスラスラ書けますが、そう都合のいいケースは希です。

たとえばSCM(サプライチェーンマネジメント)の導入に成功した会社の事例を元に論文を準備していたのに、出題されていたのはデータウェアハウスの導入に関する論述だったりすると、全ては水泡に帰してしまう可能性もあります。

あまりにもかっちりテーマが決まった論文を準備すると、ヤマがはずれて何も書けないという事態にもなりかねません。これを避けるためには、「緩い」論文を準備しておくことが必要です。つまり論文の対象となる企業(架空の企業でも可)が、SCMを導入したらどうなるか、SFA(セールスフォースオートメーション)を導入したらどうなるかなど、あらゆるケースを考えて、出題テーマに適合した文章に差し替え可能な準備論文を書いておきましょう。

以上、プロトタイプ論文の作成のツボを紹介してきましたが、午後I問題と同様、自分の真の実力を試すには模擬試験の受験を強く推奨します。


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