(5)今後の試験改訂について
経済産業省が2002年に策定したITSSとの整合性を図る目的で試験内容が変わります。ITSSは、経済産業省が策定したIT人材のスキル体系で、ITサービスに係わるプロフェッショナルの教育・訓練などに、業界として有用な「ものさし」を提供しようとするものです。
これによって試験名称及びスキル標準が変わることになります。 ゼネラリスト系資格だけ見ると、次のように変わります。
システム監査技術者 → システム監査エンジニア
プロジェクトマネージャ → プロジェクトマネージャ
システムアナリスト → ITストラテジスト、システムアーキテクト
アプリケーションエンジニア → システムアーキテクト
システム監査技術者とプロジェクトマネージャはそのまま名称としてもスキルとしても大きな変化はありません。大きな変化を受けるのは実はシステムアナリストなのです。これまでエンドユーザ視点の資格として実施されてきた「上級システムアドミニストレータ」試験がシステムアナリストと統合し、ITストラテジスト試験として生まれ変わります。これと同時に情報戦略をシステム化計画に落とし込む技術者として、新たにシステムアーキテクト試験が創設されます。
いわば、システムアナリスト試験が2つに分割されたような格好ですが、情報戦略立案を担うアナリストの後継資格は、ITストラテジスト試験になります。試験内容がどのように変わるかは未定ですが、予想としては、午前問題のうち、システム設計開発に関する比重が軽くなり、その分経営理論や経営戦略に関する比重が高くなるのではないかと思われます。
新制度の完全実施は2009年春からと言われております。したがって、これからシステムアナリストを狙う人は、ITストラテジスト試験を受けることになっていきます。しかしこれまでの試験対策が無駄になるわけではありません。要求される知識とスキルはシステムアナリストそのものなのですから、これから紹介する試験対策をそのまま踏襲して差し支えありません。
それと同時に最新カリキュラムをいち早く予想して、教育体制をとれるのは、IT系試験に詳しい専門学校または通信教育会社しかありません。通信教育と模擬試験の重要性については、後ほど詳しく説明しますが、「受験を思い立ったらまずは通信教育」と言い切れます。必ず受講するようにしてください。